11.住み続けられるまちづくりを 15.陸の豊かさも守ろう 17.パートナーシップで目標を達成しよう

グリーンインフラを活用した持続可能な地域づくり

グリーンインフラ(Green Infrastructure)とは、生態系を重要な社会基盤とみなし、社会経済に寄与し、生活に潤いを与える持続可能なインフラとして、緑や自然の力を活用するための概念です。例えば都市緑地は、新鮮な大気や水源涵養、レジャーや憩いの場、災害時の避難場所や救助の拠点、生物の生息場や生産緑地など、市民生活を豊かにする様々な機能を併せ持つことができます。工夫や技術によって、これら緑や自然が持つ多様な機能を引き出すことで、自然と調和した安心・安全で、健康的な持続可能な地域づくりを目指しています。これらの現状評価・計画・実装に向けて、グリーンインフラの機能評価のほか、AIアプリを用いた市民参加型の生物多様性調査や環境DNAを用いた魚類調査、人流ビックデータを用いたヒトの行動分析なども行っています。 

また環境アセスメントにおける環境保全技術の評価と開発、希少種をシンボルとした里山保全と地域ブランド化にも取り組んでいます。例えば、全国の公共事業に伴って実施される環境アセスメントの事例を分析し、動植物や生態系に対する環境保全技術をより効果的なものにし、事業に伴う猛禽類などの希少動植物の生息への悪影響を最小限にするための研究を行っています。また佐渡島でトキの野生復帰に携わった経験も活かし、能登での里山環境の再生や農地の耕作放棄のリスク分析も行っています。

研究業績

  • グリーンインフラによるまちづくりと地域活性化.上野裕介,上野崇之,長谷川啓一.日本緑化工学会誌 46(4) 386-388.2021. 
  • 人流ビッグデータから見た新型コロナ禍での都市緑地利用の変化.上野 裕介.日本緑化工学会誌 48(3) 460-463.2023. https://doi.org/10.7211/jjsrt.48.460
  • 里山里海を未来につなぐための地域づくりー能登SDGsラボの挑戦ー.北村健二,宇都宮大輔,上野裕介.ランドスケープ研究 85(2) 112-115.2021. https://doi.org/10.5632/jila.85.112
  • 人口減少時代の都市緑地のグリーンインフラとしての活用方策 ‐茨城県守谷市における大規模住民アンケートの結果から‐.上野 裕介,前田 有香, 長谷川 啓一,南崎 慎輔,福島 晶子.土木学会論文集G(環境) 47 Ⅱ_169-Ⅱ_176. 2019.https://doi.org/10.2208/jscejer.75.6_II_169
  • 音声認識技術を用いたオオタカの生息有無と繁殖段階の簡易判定法の試作.上野 裕介,栗原 正夫.土木学会論文集G(環境) 72(6) II_341-II_349. 2016.https://doi.org/10.2208/jscejer.72.II_341
  • メタ解析を用いた環境保全措置の効果検証:全国の道路事業での希少猛禽類3種の繁殖成否.上野裕介,長谷川啓一,大城温,神田真由美,井上隆司,栗原正夫.土木学会論文集 G(環境)(Web) 71(6) II_65‐II_72.2015.https://doi.org/10.2208/jscejer.71.II_65

提供できるシーズまたは支援できる技術分野

  • 緑地環境の多機能性の評価と効果的な活用策 
  • 環境アセスメントにおける環境保全技術の評価と開発、希少種保全と自然再生 
  • グリーンインフラを活用したSDGsの取り組みや持続可能な地域づくりの提案 
  • トキの生息環境の評価と整備、モニタリング、トキによる地域ブランド化 

社会的成果または実用化された内容、商品、特許など

(出願中)特開2022-190308 音源位置推定方法、学習モデル生成方法、音源位置推定装置、及び音源位置推定システム 岩見聡、上野裕介

産学・地域貢献に関する経験・実例および連携した企業業種

  • 国土交通省グリーンインフラ官民連携プラットフォーム技術部会 幹事
  • 能登SDGsラボ 幹事、金沢SDGsプロジェクト「IMAGINE KANAZAWA 2030」 検討メンバー
  • 新潟大学「朱鷺の島 環境再生リーダー人材養成事業」での教育支援
  • 国土交通省国土技術政策総合研究所「道路環境影響評価に係る猛禽類の専門家委員」
  • 東邦大学「産学官民連携 自然環境保全と持続可能な社会づくりセミナー」全4回の企画・運営
  • グリーンインフラを活用した防災減災・地方創生に関する研究((株)福山コンサル様と共同研究)
  • ハイブリッドインフラ導入ポテンシャル全国評価に関する医療・レクリエーション指標の開発及び地域モデルに関する研究(三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)様からの受託研究)
  • そのほか、環境調査や評価技術に関する共同研究 多数

マッチングしたい分野・業種

  • トキの野生復帰と自然再生、地域活性化など
  • 各種事業や再生可能エネルギーと自然環境保全の両立(影響評価と環境保全措置)
ウエノ ユウスケ
上野 裕介
准教授
研究分野
緑地環境学、景観生態学、環境システム学
略歴
北海道大学大学院水産科学研究科博士後期課程修了
博士(水産科学)2009
新潟大学 朱鷺・自然再生学研究センター
国土交通省 国土技術政策総合研究所
石川県立大学・准教授
教員からの
メッセージ
研究の意義は、今よりも安心で豊かな社会を作ることだと考えています。自然と調和した社会づくりに向け、活動しています。
https://www.ishikawa-pu.ac.jp/staff/staffname/ueno-yusuke/