6.安全な水とトイレを世界中に 13.気候変動に具体的な対策を 15.陸の豊かさも守ろう

持続可能な水循環社会の構築に関する研究

自然災害のリスク、気候変動などによる温暖化が水・食料におよぼす影響などを現地観測、衛星データ、シミュレーションなどを利用して評価し、それらの影響を軽減できる対応策を検討して、安心・安全・持続可能な水循環社会の構築に資することを目指しています。

たとえば、放棄竹林が拡大することによって、森林が持っている洪水緩和機能、渇水緩和機能、土砂災害防止機能にどの様な影響が現れるのかを調べています。また、森林内において積雪・融雪の観測を行い、融雪をできるだけ遅らせて、融雪水をゆっくりと流出させて水資源を増やすにはどうしたらよいのかを研究しています。さらに、地下水や湧水の流出経路や起源を推定することによって、持続可能な地下水利用について検討することも行っています。

ドローン(UAV)によって、砂浜海岸の地形変化、土壌水分、打ち上げ海藻、水深などを観測できる方法も開発しています。緑、赤、近赤外を観測できるスペクトルカメラ、サーモグラフィーをドローンに取り付け、稲の草丈、LAI、窒素吸収量などを観測し、スマート農業に資する技術の開発を行っています。また、水上ドローンを用いて河川や海域の環境調査に応用することにも着手しています。

ドローンによる圃場の高低差
地下水の起源推定
水資源のシミュレーション

研究業績

  • 小川弘司・岩佐海杜・藤原洋一:白山・千蛇ヶ池雪渓における3夏期間の融雪熱収支特性,雪氷,2023,Vol.85,No.2,pp.115-131,2023,https://doi.org/10.5331/seppyo.85.2_115
  • 大谷健人・藤原洋一・長野峻介・一恩英二・中川悠希:水上ドローンによる水深計測と画像解析型流速測定法を組み合わせた流量観測,農業農村工学会論文集,315,pp.IV_45-IV_47,2022,https://doi.org/10.11408/jsidre.90.IV_45
  • Y Fujihara,K Okuyama,K Hoshikawa,H Fujii,T Nakamura,S Lun,S Siev: Characteristics of the annual maximum and minimum water temperatures in Tonle Sap Lake,Cambodia from 2000 to 2019,Remote Sensing,13,3972,2021,https://doi.org/10.3390/rs13193972

提供できるシーズまたは支援できる技術分野

  • 流域水循環モデルの構築、適用。気候変動による水資源、水環境への影響評価
  • 流域における水文、水環境、気象観測。地下水の起源推定
  • リモートセンシング(衛星データ解析)、UAV(ドローン)による環境、農作物モニタリング

産学・地域貢献に関する経験・実例および連携した企業業種

  • 柴山潟地区、今江潟地区の水質調査業務。地下水モニタリング(白山市、NTTドコモ)
  • 千蛇ヶ池雪渓のモニタリング、UAVによる雪渓観測(白山自然保護センター)
  • ドローン、スペクトルカメラ、サーモグラフィーを用いた水稲生育モニタリング
  • 音響を利用して雨と雪を判別しながら降水量を計測できる装置の開発

マッチングしたい分野・業種

  • 衛星データや機械学習を活用したサービスの開発を行いたい企業
  • 気象データや水文データを利用したビジネスに興味のある企業 など
フジハラ ヨウイチ
藤原 洋一
准教授
研究分野
農業農村工学、水文・水資源学、雪氷学
略歴
神戸大学大学院自然科学研究科卒 博士(農学)
京都大学防災研究所、総合地球環境学研究所
国際農林水産業研究センターなど
教員からの
メッセージ
カンボジア、スーダンを対象として、衛星画像で洪水、作物生育などを解析して現状把握する、といったこともしています。
https://www.ishikawa-pu.ac.jp/staff/staffname/fujihara-yoichi/