13.気候変動に具体的な対策を

ヒートパイプ式熱交換装置の開発

農業ハウスや畜舎などの断熱性の低い屋内は、夏や冬に過酷な温度環境になります。農業生産性を高めるには、ランニングコストを抑えた冷却/加温技術が求められます。この技術の開発に向けて、ヒートパイプ式熱交換装置の製作とその性能試験および実証試験に取り組んでいます。ヒートパイプは、金属のなかでも高い熱伝導率を有する銅をはるかに上回る熱輸送能を持つことに加えて、その構造が単純なので、安価で自作でき、メンテナンスも不要といった特⾧を持ちます。地中熱や地下水熱などの未利用熱を活用した冷却/加温技術の社会実装を目指し、さまざまなタイプのヒートパイプを開発しています。

電力不要の加温技術で雪国オリーブ栽培
加温技術には、銅をはるかに上回る熱輸送能を持つ、ヒートパイプを組み込みます。

研究業績

ガトリング型ヒートパイプ式地中熱交換装置の開発.百瀬年彦.農土石川,59,26 – 29,2021.

提供できるシーズまたは支援できる技術分野

  • 植物根の冷却・加温装置
  • 未利用熱を活用した冷風/温風発生装置
  • 気体-液体の熱交換技術

社会的成果または実用化された内容、商品、特許など

  • 特許第6598357 号 ヒートパイプ及び該パイプを含む熱輸送装置

産学・地域貢献に関する経験・実例および連携した企業業種

  • カーボンニュートラルを目指した施設園芸への地中熱冷却システムの導入、2022 年度大学新産業創出プログラムプロジェクト推進型SBIRフェーズ1支援
  • 地中熱を利用したオリーブ栽培で空き地と耕作放棄地を有効利用、令和2、3年度大学コンソーシアム石川地域課題研究ゼミナール支援事業
  • ヒートパイプで地中の冷熱を利用できる装置の開発による、トマトの根の適温維持(冷却)、令和元年度石川県農林水産業基幹技術開発トライアル事業

マッチングしたい分野・業種

未利用熱を活用した地域おこし

モモセ トシヒコ
百瀬 年彦
准教授
研究分野
土壌物理学、農地環境学
略歴
岩手大学大学院連合農学研究科博士課程修了 博士(農学)
Saint Mary’s University 理学部 研究員
Bavarian Environmental Agency 地質調査部 研究員
教員からの
メッセージ
未利用熱を活用した社会づくりを目指します。
https://www.ishikawa-pu.ac.jp/staff/staffname/momose-toshihiko/