8.働きがいも経済成長も 9.産業と技術革新の基盤を作ろう 13.気候変動に具体的な対策を

野菜の作型開発、栽培技術開発とそれに関連する生理生態学的特性の解明

野菜の生産性向上や作期(栽培可能な時期)を延ばすための研究を行っています。特に露地野菜は、ハウスなどを使って温度や日射量といった栽培環境の制御がほとんどできないため、1つの地域では栽培時期が限られます。しかし、近年の温暖化や天候不順による影響をもあり、従来の産地での安定生産が難しくなりつつあるため、これまで栽培されていなかった地域も含めて作期や産地の分散を図る必要があります。そこで、野菜が持つ能力を最大限に引き出すための生理生態学的研究やそれを応用した作型開発や栽培技術の開発を行っています。
特に、最近ではタマネギの新作型開発に着目した研究を行っています。タマネギは作型分化に乏しく、北海道や九州、淡路島といった特定の大産地に供給を頼っているため、天候不順が全体の生産量に大きな影響を与えます。そのため、石川県など北陸地域にも産地を広げる必要があり、それに向けた研究開発に注力しようと考えています。

倒伏時期(収穫の目安)のタマネギの様子
タマネギの主な作型

研究業績

  • 山内大輔・山本岳彦・室崇人・木下貴文. 2026. 北東北地域のタマネギ秋播き作型において播種日を同一とした場合の定植日の違いが乾物重およびりん茎重に及ぼす影響. 園芸学研究, 20:39-46.
  • Kinoshita, T., Hayashi, T., Yamauchi, D., Yamamoto, T. 2024. Quantitative analysis of factors affecting bulb yield in terms of dry matter production across different planting dates and cultivars in spring-sown onions. Scientia Horticulturae. 338:113726.
  • Kinoshita, T., Hamano, M., Yamasaki, A. 2024. Onion cultivars and set planting date during summer for an early winter harvest in northern Japan. Japan Agricultural Research Quarterly. 58:165-173.

提供できるシーズまたは支援できる技術分野

  • タマネギの新作型開発、栽培技術開発、生育モデル
  • 露地野菜の栽培技術開発、簡易な環境制御技術
  • 野菜の養液栽培技術

社会的成果または実用化された内容、商品、特許など

  • 東北・北陸地域向けのタマネギ春播き作型の開発と普及
  • タマネギセット栽培技術の開発と普及
  • タマネギの生育予測モデル(特許第7461650号 タマネギの生育状態予測方法及び生育状態予測プログラム)

産学・地域貢献に関する経験・実例および企業業種

  • 東北の震災被災地におけるトマトやタマネギ栽培の実証試験
  • 東北地域などにおけるタマネギ栽培の技術的支援
  • 大手民間商社および大規模農業生産法人とのタマネギセット栽培に関する実用化へ向けた共同研究
  • 農研機構東北農業研究センターにおいて産学連携部署に所属経験あり

マッチングしたい分野・業種

 公設試、農業生産法人、農業資材メーカー、種苗会社などの農業関連企業

キノシタ タカフミ
木下 貴文
准教授
研究分野
野菜園芸学
略歴
2004年 北海道大学農学部卒業
2012年 岡山大学大学院博士課程(社会人)修了、博士(農学)取得
2004年 農研機構近畿中国四国農業研究センター(現西日本農業研究センター)
2013年 農研機構東北農業研究センター
2026年 現職
教員からの
メッセージ
生産現場や新たな産地形成に役立つ研究を目指しています。