9.産業と技術革新の基盤を作ろう

有用物質・タンパク質の生産および生理活性評価

植物は、色素や機能性成分など多様な化合物を生産しています。本研究室では、これらの物質の生合成に関わる遺伝子や酵素を探索し、その機能を明らかにする研究を行っています。特に、赤色・黄色の植物色素であるベタレインを対象として、糖転移酵素などの生合成・修飾酵素の同定と機能解析を進めています。また、タバコBY-2培養細胞などを利用し、植物由来の有用化合物や組換えタンパク質を生産する研究にも取り組んでいます。キヌアなどの作物については、特殊代謝や環境応答、機能性成分の解析を行っています。さらに、線虫モデルを利用した植物成分等の生理活性・薬効評価や、神経変性疾患を含む疾患関連タンパク質の発現・機能解析にも取り組んでいます。遺伝子解析、酵素活性測定、植物細胞での発現、化合物分析、生物を用いた評価を組み合わせ、植物資源の理解と利用を目指しています。

ウイルスベクターを用いた植物培養細胞におけるタンパク質大量生産


目的:植物細胞で有用蛋白質を高効率に生産させること。

概要:植物培養細胞は大規模化が可能、培養コストが安い、ヒト・動物に対する病原菌の混入がないなどの、動物細胞にはない特徴を持つ。さらに、翻訳後修飾をもつ複雑なタンパク質の生産が可能である。開発したタンパク発現系を用いて、インターフェロンγ、トロンビン等の医薬品の生産を行っている。

研究業績

  • Imamura T. et al., Mori M.
    A cyclo-DOPA 6-O-glucosyltransferase-mediated route for gomphrenin I biosynthesis in Basella alba and Gomphrena globosa.
    New Phytologist, 2026.
    DOI: 10.1111/nph.71340
  • Imamura T. et al., Mori M.
    Production of ORF8 protein from SARS-CoV-2 using an inducible virus-mediated expression system in suspension-cultured tobacco BY-2 cells.
    Plant Cell Reports, 2021.

提供できるシーズまたは支援できる技術分野

  • 植物細胞における種々のタンパク質を生産する生産、特に大腸菌等の従来発現系で生産が困難なタンパク質を生産する技術

植物由来遺伝子の探索、遺伝子クローニング、組換えタンパク質発現、酵素活性評価、植物代謝物の分析などを行っています。特に、植物特殊代謝に関わる糖転移酵素などの探索と機能解析、植物細胞を利用した有用物質や組換えタンパク質の生産を行っています。

社会的成果または実用化された内容、商品、特許など

植物色素ベタレインの生合成や修飾に関与する酵素について研究を進め、関連する遺伝子や物質生産技術について特許出願を行っています。また、植物細胞を利用した有用物質や組換えタンパク質の生産技術、線虫を用いた生理活性評価法などについて研究を進めています。

産学・地域貢献に関する経験・実例および連携した企業業種

  • 植物細胞を用いた血液製剤等の生産に関する共同研究
  • 感染菌を高感度に検出できる医療用真核Taq ポリメラーゼの共同開発
モリ マサシ
森 正之
教授
研究分野
遺伝子機能学
略歴
京都大学大学院農学研究科修了 博士(農学)
石川県立大学 教授
教員からの
メッセージ
新産業を創出する研究です。
「未来のneedsをASAP」
https://www.ishikawa-pu.ac.jp/staff/staffname/mori-masashi/