9.産業と技術革新の基盤を作ろう

農業水利施設の補修・補強工法に関する研究

農業を行うためには水のコントロールが欠かせません。農業に必要な水を貯め、水を農地まで運んだり、余分な水を農地から排出したりする役割を担っているのが農業水利施設です。我が国には総延長約40万kmに達する農業用用排水路など膨大な数の農業水利施設が存在します。しかし、これらの農業水利施設の大部分は建設から数十年が経ち、老朽化が進行しています。このような状況に対応するため、農業水利施設の状態を診断し、不具合個所があれば補修や補強により施設を長持ちさせる「長寿命化対策」が必要とされています。そこで、私の研究室では、主にコンクリート水路を対象にした補修・補強工法に関する研究を実施しています。

これまでに、低温硬化性に優れ、複合劣化条件下でも優れた耐久性を発揮する水路目地用弾性シーリング材の開発やモルタル系水路補修材料の耐摩耗性評価を行ってきました。

水流式転がり摩耗試験装置
シーリング材の耐水圧試験

研究業績

  • 低温硬化性や耐久性に優れた農業用水路用目地充填材の開発.森 丈久,西谷啓太郎,上條達幸,松田展也.農業農村工学会誌 86(6) 485-488 2018年
  • 石礫による転がり摩耗に対するモルタル系補修材の耐久性評価 .松田展也,森 丈久.農業農村工学会誌90(4) 29-32 2022年

提供できるシーズまたは支援できる技術分野

以下の項目について支援可能です。

  • 農業水利施設の補修材料の耐久性評価
  • 耐摩耗性に優れたモルタル系補修材料の開発
  • 水路用目地補修材料の開発

社会的成果または実用化された内容、商品、特許など

査定済み特許

特許 第6861958号 三面水路

産学・地域貢献に関する経験・実例および連携した企業業種

  • 建設会社やシーリング材製造企業との連携による低温硬化性・耐久性に優れた水路目地用シーリング材の開発
  • 建設会社との連携による水路修材料の耐摩耗性評価のための水流式転がり摩耗試験装置の開発
  • 農林水産省発行のストックマネジメントに関する各種手引き等作成に係る検討会の委員

マッチングしたい分野・業種

農業用水路の目地材の開発に興味がある企業、耐摩耗性に優れたモルタル系水路補修材料の開発を推進したい企業 等

モリ タケヒサ
森 丈久
教授
研究分野
施設機能工学
略歴
九州大学農学部農業工学科卒
博士(農学)2011年(鳥取大学大学院連合農学研究科)
農林水産省、(独)農研機構農村工学研究所
教員からの
メッセージ
農業水利施設の補修工事の現場で困ったことがありましたら、気軽に何でも相談してください。
https://www.ishikawa-pu.ac.jp/staff/staffname/mori-takehisa/