農産物を対象とした画像計測を応用して、農作業の自動化や高能率化を進める研究を行っています。ここで紹介する研究は金箔製造に関係する内容です。金箔製造の一工程に使用される和紙の主原料は、稲わらから採取した「ニゴ」と呼ばれる部分です。現在は図1に示すように手作業でハサミを使用して1本ずつ稲わらから節の硬い部分を切除して葉鞘から抜き取っています。作業能率が低いことが課題になっています。本研究では、比較的安価なWebカメラを複数台使用した止葉節の画像認識装置を開発しました。そして、これを組み込んだ動画1のような自動可変長切断ニゴ採取機を試作しました。この試作機は作業者が稲わらを1本ずつ機械に供給する必要があります。実験の結果、ニゴ採取能率は従来の手作業に比べて15.4%の向上にとどまりました。今後、機械や制御ソフトウェアの改良する予定です。また作業手順を検討して、稲わらを供給する能率も向上させる必要があります。
研究業績
- 金沢箔における澄打紙製造に関する研究-ニゴ抜き取り工程の自動機開発のための基礎実験-.大角雅晴.平成25年度金沢箔技術振興研究所委託研究成果報告書.2014.
- 金沢箔における澄打紙製造に関する研究-ニゴ抜き取り工程の自動機開発-.大角雅晴.平成26年度金沢箔技術振興研究所委託研究成果報告書.2015.
- 自動可変長切断ニゴ採取機の開発.大角雅晴.公益財団法人TAKEUCHI育英奨学会2022年度助成金完了報告書.2023.
提供できるシーズまたは支援できる技術分野
- 農産物を対象とした画像計測、マシンビジョン
- 植物・農産物の物性計測
- 農産物を対象とした自動化機械の開発
産学・地域貢献に関する経験・実例および連携した企業業種
- 受託研究「金沢箔における澄打紙製造に関する研究」
- 共同研究「ギンナンの形状及び物理的特性に関する研究」
- 金沢箔技術振興研究所アドバイザー
マッチングしたい分野・業種
農業や食品など分野で、加工や作業の自動化を推進したい企業 など
オオカド マサハル
大角 雅晴
准教授
研究分野
農業機械、画像計測
略歴
金沢大学大学院工学研究科修士課程修了
株式会社不二越 ロボット部
京都大学博士(農学)取得
株式会社不二越 ロボット部
京都大学博士(農学)取得
教員からの
メッセージ
メッセージ
地域の農業や産業を支援できるよう研究を進めたいと思っています。解決したい事案があればご相談ください。
https://www.ishikawa-pu.ac.jp/staff/staffname/okado-masaharu/