2.飢餓をゼロに 9.産業と技術革新の基盤を作ろう 13.気候変動に具体的な対策を

作物の農業的重要形質の発現調節機構に関する研究

 これまでは植物ホルモンの代謝と情報伝達の時間的、空間的制御から、農業的重要形質の発現に至るまでの過程を、イネを材料に分子遺伝学、分子生物学、生理学および生化学的手法を用いて解析し、得られた知見を新たな育種素材の育成や栽培技術の開発にフィードバックさせる研究を進めてきました。 

この経験を活かし、現在はサツマイモの糖集積や着色など、品質に影響する諸形質を調節する分子機構を解明し、効果的な技術開発や品種育成に結びつけることを目指しています。 

また戦前の石川県で育成された品種「兼六」が、現在もブームが続く「安納芋」のルーツであることを突き止めました。石川の新たな特産とすべく、「兼六」の栽培と加工および利用法の開発を県内の生産者や企業と進めています。 

研究業績

  • 坂本知昭・石谷美穂・眞島千尋.2023.乾燥程度がサツマイモ 「兼六」 蒸切干の甘さに及ぼす影響.日本作物学会記事 92.230-234. https://doi.org/10.1626/jcs.92.230
  • 坂本知昭・片山 (池上) 礼子.2020.異なる温度条件下での貯蔵がサツマイモ品種 「兼六」 塊根の品質に及ぼす影響.日本作物学会記事 89.156-161. https://doi.org/10.1626/jcs.89.156
  • 坂本知昭・片山 (池上) 礼子.2019.サツマイモ品種 「兼六」 と 「安納いも」 の類縁性.育種学研究 21.11-19. https://doi.org/10.1270/jsbbr.19J01

提供できるシーズまたは支援できる技術分野

  • サツマイモの栽培に関する技術指導および相談
  • サツマイモの一次加工と利用法に関する技術開発およびその普及
  • サツマイモの生理現象の分子生物学的および生化学的解析と応用技術の開発

社会的成果または実用化された内容、商品、特許など

  • 特許番号:P4015911発明の名称:ブラシノステロイドの生合成に関与しているシトクロムP450モノオキシゲナーゼ遺伝子の改変および/または過剰発現による単子葉植物の形質の制御方法およびこの遺伝子を用いて改変された単子葉植物
  • 特許番号:P3890410発明の名称:栄養成長特異的プロモーターおよびそれにより得られた遺伝子組換え植物
  • 特許番号:P3867140発明の名称:イネ由来高発現型ポリペプチド鎖延長因子プロモーターおよびその使用方法
  • 特許番号:P3783777発明の名称:新たな機能を持つジベレリン2-酸化酵素遺伝子およびその利用
  • サツマイモ「兼六」を用いた料理(2019年2月26日北陸中日新聞、2019年9月12日北國新聞ほか)
  • サツマイモ「兼六」を用いた菓子(2019年2月14日北國新聞、2019年3月20日北國新聞ほか)

産学・地域貢献に関する経験・実例および連携した企業業種

  • 一般および学校向けの公開講座、体験実習の企画運営
  • いしかわシティカレッジ講師
  • 石川県立大学「シーズ発表会」講師
  • 日本海イノベーション会議講師
  • 環境制御下での効率的な作物栽培を目指した技術開発
  • サツマイモ「兼六」ペーストを利用した商品開発
  • サツマイモ「兼六」パウダーの製造技術の開発
  • サツマイモ「兼六」の栽培に関する技術指導および相談
  • サツマイモ「兼六」の利用法に関する技術開発およびその普及

マッチングしたい分野・業種

  • サツマイモの高品質・安定多収を目指す農業法人、農事組合法人など生産者団体
  • サツマイモおよびその一次加工品を利用した商品開発を目指す企業、飲食製菓業
サカモト トモアキ
坂本 知昭
准教授
研究分野
作物生理学
略歴
日本学術振興会特別研究員(DC2・PD)
東京大学大学院農学生命科学研究科 助手
名古屋大学高等研究院 特任講師
教員からの
メッセージ
石川生まれのサツマイモ「兼六」は色よし、味よし、体によし、の3拍子揃った緑黄色野菜です。「兼六」の特産化で地域振興を!
https://www.ishikawa-pu.ac.jp/staff/staffname/sakamoto-tomoaki/