2.飢餓をゼロに 13.気候変動に具体的な対策を

組織工学の食品科学への応用

ヒトや動物の身体の部品である生体組織は、細胞と細胞外基質の組み合わせで作られています。細胞外基質とは、コラーゲンなどの生体高分子でできたハイドロゲル状の物質です。私たちは、生体内の細胞外基質の階層構造を再現したハイドロゲル材料を構築し、これを鋳型足場材料として用いることにより、複雑な階層構造を持つ再生骨組織や再生腎組織、そして再生筋組織などを構築する技術を確立してきました。現在私たちはこれまでに確立してきた組織構築技術を食品加工技術として応用することにより、例えば細胞培養で直接食肉をつくる培養肉製造技術を実現するための研究を進めております。私たちの研究の強みは、ハイドロゲルの階層構造を操ることでそれぞれの生体組織をつくるのにより適した細胞足場素材を提供できることです。このことにより、実際の生体組織により近い組織形態を持った再生組織の構築技術が実現できます。例えば、骨格筋組織の形態を再現することで、食肉の食感を再現した培養肉の製造技術を実現できます。

研究業績

  • Kazuya Furusawa, Yuuki Kawahana, Ryoya Miyashita, “Construction of Engineered Muscle Tissue Consisting of Myotube Bundles in a Collagen Gel Matrix” Gels, 2023, 9(2), 141.
  • Kazuya Furusawa, Shoichi Sato, Jyun-ichi Masumoto, Yohei Hanazaki, Yasuyuki Maki, Toshiaki Dobashi, Takao Yamamoto, Akimasa Fukui and Naoki Sasaki, “Studies on the Formation Mechanism and the Structure of the Anisotropic Collagen Gel Prepared by Dialysis-Induced Anisotropic Gelation” Biomacromolecules, 2012, 13, 29-39.

提供できるシーズまたは支援できる技術分野

  • ハイドロゲルの階層構造制御に関する技術相談
  • 組織工学技術の食品科学への応用
  • 培養肉製造技術に関する技術相談
  • 培養肉製造体験

社会的成果または実用化された内容、商品、特許など

培養肉を代表とする細胞性食品は国内ではまだ食品として認められておりませんが、次世代の畜産農業技術としても期待されています。そのため、細胞性食品の社会実装に向けた共同研究や技術相談などを請け負っております。

産学・地域貢献に関する経験・実例および連携した企業業種

農業廃棄物の有効活用(農業)・伝統工芸品の物性測定(木工業)・培養肉製造技術に関する技術相談および共同研究(多数、様々な業種から相談を受けています)

マッチングしたい分野・業種

培養肉のタネとなる細胞を提供してくれる畜産農家とのマッチングを熱望しております。
細胞を部品とするロボットの社会実装に興味を持つ企業とのマッチングも期待しています。

研究・社会的成果に関する広報や報道

フルサワ カズヤ
古澤 和也
准教授
研究分野
バイオレオロジー、高分子物理学、組織工学、食品加工学
略歴
群馬大学大学院工学研究科博士後期課程博士(工学)
教員からの
メッセージ
良い結果を得るには「愛」が必要不可欠です!何事も「愛」を忘れずに!
https://sites.google.com/view/furusawa-lab/home