3.すべての人に健康と福祉を 9.産業と技術革新の基盤を作ろう

新規遺伝子の探索とその利用

あらゆる生命現象は遺伝子が司っています。しかし、いまだに膨大な数の機能がわからない遺伝子があります。遺伝子機能学研究室は、新規の機能を持つ遺伝子を探索し、生命現象の解明を目指しています。さらに、得られた新規遺伝子を利用し、医薬品等の有用物質の生産や新品種の開発を行い、産業的価値の創出を目指しています。

植物ウイルスの持つ高いタンパク質生産の能力を利用し、植物細胞で医薬品をはじめ、様々な有用たんぱく質を生産しています。また、ナデシコ目植物が生産するベタレイン色素の生理活性の解析や生合成遺伝子の単離を行っています。さらには、高い環境適応性と栄養価を合わせもつ、アンデス産のキヌアから新規有用遺伝子の単離を行い、キヌアの品種改良を行うなど、食料から医薬まで幅広い研究開発を行っています。

タバコBY2細胞を用いたタンパク質生産システム(ベタレイン色素)
右からアマランチン、ベタニン、ベタニジン
アミロイドβ (Aβ)発現センチュウにおけるベタニンの麻痺障害緩和効果

研究業績

https://scholar.google.co.jp/citations?hl=ja&user=osawLiQAAAAJ

提供できるシーズまたは支援できる技術分野

  • 植物細胞における種々のタンパク質を生産する生産、特に大腸菌等の従来発現系で生産が困難なタンパク質を生産する技術
  • ベタレイン色素の合成技術
  • 遺伝子単離技術

社会的成果または実用化された内容、商品、特許など

  • 植物培養細胞を用いた有用タンパク質生産技術
  • キヌアのストレス耐性遺伝子の知財化。
  • 「DNA Fragment Method for Producing Transformant for Protein Production and Utilization Thereof」 US Patent App. 10/574,112
  • 「ベタレイン色素の合成方法」PCT/JP2019/041002(PCT), 2020-553322(JP)、EP19874402.1(EPC)、17/285922(US)
  • 「ブラッター形成制御作用剤、並びに、該作用剤を導入した植物体」PCT/JP2018/
  • 「Enzyme preparation containing thermostable DNA polymerase, method for producing same, and method for detecting subject organism to be detected」US Patent 9,243,272, 46304(PCT), 201880089687.7(CN), JP2019-561071(JP), 16/954216(US)

産学・地域貢献に関する経験・実例および連携した企業業種

  1. 企業と植物細胞を用いた血液製剤等の生産に関する共同研究を実施。
  2. 富山大学及び北海道三井化学(株)と、感染菌を高感度に検出できる医療用真核Taqポリメラーゼの共同開発を実施。
  3. 香港大学医学部と共同で、新型コロナウイルスの診断システムの構築を進行中。

マッチングしたい分野・業種

分野は特に限定しておりません。共に新たな産業を興したい方。

モリ マサシ
森 正之
教授
研究分野
遺伝子工学
略歴
京都大学大学院農学研究科博士課程修了 農学博士
京都大学大学院農学研究科博士研究員
石川県農業短期大学助教授
石川県立大学生物資源学部(生物資源工学研究所) 准教授
同大学教授
教員からの
メッセージ
新産業を創出する研究です。
「未来のneedsをASAP」
https://www.ishikawa-pu.ac.jp/staff/staffname/mori-masashi/