2.飢餓をゼロに 3.すべての人に健康と福祉を

ナノファイバー化技術を利用した食品開発

高齢化によって国民医療費は年々増加しており、平成30年は42.6兆円であった。健康保険連合組合では、国民医療費は2025年には57.8兆円と大幅に増加すると推計している。従って、生活習慣病予防を目的とした肥満予防効果のある食品開発の研究は、この膨大な医療費の増加抑制への貢献が期待できる。これまでに、私たちは、セルロースナノファイバー(CNF)の製造に代表されるナノファイバー(NF)化技術を利用して食品開発の研究を行ってきた。その結果、セルロースを主体とした不溶性食物繊維を多く含む脱脂おからをNF化すると、分散性と粘性が高くなる特徴を見出した。さらに、高粘性になることから肥満抑制効果があると考えた。そこで、高脂肪食肥満モデル動物実験系を用いてCNF摂取の効果を調べた。その結果、CNF摂取群はコントロール群と比較して、体重の増加と脂肪の蓄積が抑制されること、腸内フローラにおける乳酸菌の比率を増加させるプレバイオティクスとしての効果があることが示された。 

ナノファイバー化装置 

提供できるシーズまたは支援できる技術分野

  • 食品素材のナノファイバー化 
  • 肥満抑制効果の検証 
  • 腸内フローラの解析 
ナガノ タカオ
長野 隆男
教授
研究分野
食品製造開発学
略歴
名古屋大学大学院農学研究科
不二製油(株)研究所
川崎医療福祉大学臨床栄養学科 教授
教員からの
メッセージ
近年、ナノファイバー化技術の発展は素晴らしいものがあります。
この技術による食品開発を中心として教育研究を行っています。
https://www.ishikawa-pu.ac.jp/staff/staffname/nagano-takao/