3.すべての人に健康と福祉を 9.産業と技術革新の基盤を作ろう 13.気候変動に具体的な対策を

植物や微生物を用いた有用物質の生産

 植物や微生物は様々な二次代謝産物を生合成しており、遺伝子資源として非常に有用です。私たちは、様々な植物や微生物から有用な遺伝子を探索し、微生物に導入することによって、医薬品原料や機能性成分となる有用物質を微生物に大量に生産させるシステムを開発してます。例えば、大腸菌でカロテノイド生産(下の左の写真)や医薬品であるプロスタグランジン生産(下記特許)に成功しています。さらに、遺伝子組換え植物(レタスやゼニゴケなど)によって有用物質を生産させるシステムの開発も行っています(下の右の写真)。植物を用いた有用物質生産は、化学合成法等とは異なり、資源の節約となり、環境にも優しい技術であるため、これからの社会にとって不可欠なテクノロジーになると考えています。

 研究業績

  • Synthetic-biological approach for production of neoxanthin in Escherichia coli; 
    Yuki Higuchi, Masahiko Iha, Takashi Maoka, Norihiko Misawa, Miho Takemura 
    Plant Biotechnology 40(1) 15-20 2023 DOI: 10.5511/plantbiotechnology.22.1130a 
  • Carotenoids: Carotenoid and apocarotenoid analysis-Use of E. coli to produce carotenoid standards; Norihiko Misawa, Takashi Maoka, Miho Takemura 
    Methods Enzymol 670 87-137 2022 DOI: 10.1016/bs.mie.2022.03.019 
  • Violaxanthin: natural function and occurrence, biosynthesis, and heterologous production; Miho Takemura, Tatehiko Sahara, Norihiko Misawa 
    Appl Microbiol Biotechnol 105(16-17) 6133-6142 2021 DOI: 10.1007/s00253-021-11452-2 

提供できるシーズまたは支援できる技術分野

  • 植物のDNA鑑定
  • 新規遺伝子資源の探索
  • 遺伝子組換え微生物や遺伝子組換え植物による有用物質の生産

社会的成果または実用化された内容、商品、特許など

特許第5641232号名称「オゴノリ由来のシクロオキシゲナーゼの遺伝子及び該遺伝子を利用するプロスタグランジン類生産方法」

産学・地域貢献に関する経験・実例および連携した企業業種

  • いしかわ次世代産業創造ファンド事業助成金事業(農作物のブランド化)に参加
  • 生研センターの生物系産業創出のための異分野融合研究支援事業に北陸の企業とともに参加
  • 2022年石川テックグランプリにおいて、最優秀賞を受賞

マッチングしたい分野・業種

健康食品やサプリメントの製造企業、大腸菌や植物での有用物質生産に興味のある企業、等

タケムラ ミホ
竹村 美保
准教授
研究分野
植物代謝工学
略歴
京都大学大学院農学研究科修了 博士(農学)
奈良先端科学技術大学院大学 助手
石川県立大学 准教授
教員からの
メッセージ
遺伝子工学・代謝工学の技術を使って、世の中の役に立つ微生物や植物を作りたいと思っています。
https://www.ishikawa-pu.ac.jp/staff/staffname/takemura-miho/