2.飢餓をゼロに 3.すべての人に健康と福祉を 6.安全な水とトイレを世界中に

食中毒病原体の病原性・疫学・検出法及び予防に関する基礎及び応用研究

グローバル時代において、食中毒の発生及び理解はこれまでにない「かたち」に変化している。一つは、食中毒病原体の流行性にみられる。急激なグローバル化は病原体の移動を容易にし、流行の規模も大きくなる。そのため分子疫学的な手法により食中毒病原体の変化及び移動を正確に把握し、食中毒病原体の伝播及びパンデミックへの対策について研究に取り組んでいる。もう一つは、食品衛生学及び食品微生物学的な視点での食中毒病原体に対する対策である。食習慣及び食文化の多様化がもたらす新たな食中毒の脅威に対し、天然物質からの新奇の抗菌成分の探索を行い、さらに天然成分や金属などの抗菌素材を利用して次世代の食中毒及び感染症対策に繋がる研究に取り組んでいる。

食中毒患者から分離した食中毒菌(黄色のコロニー)の培養
マレーシアの調査地で明らかにした食中毒の流行の原因となった生魚を用いた料理(料理名:U mai)

研究業績

  • Vibrio parahaemolyticus: a review on the pathogenicity, antibiotic resistance, foodborne outbreaks, and detection methods 
    Naziahsalam Kehinde, A, Tang, J.Y.H, Nakaguchi, Y
    Food Research 5(3) 1-11, 2021
  • Pandemic Vibrio parahaemolyticus O3 : K6, Europe 
    J Martinez-Urtaza, L Simental, D Velasco, A DePaola, M Ishibashi, Y Nakaguchi, M Nishibuchi, D Carrera-Flores, C Rey-Alvarez, A Pousa
    Emerging Infectious Disease 11(8) 1319-1320, 2005
  • 感染症に強い社会基盤の構築に向けた開発研究~殺菌剤(殺菌料)、衛生管理、特殊繊維 
    中口義次 
    北陸経済研究 38-39 2022年 

提供できるシーズまたは支援できる技術分野

  • 病原体(ウイルス及び細菌)の迅速簡易遺伝子検査法による検出と評価
  • 病原体(ウイルス及び細菌)の不活性化及び殺菌に関する評価
  • 天然物質(精油など)の抗菌活性の探索と抗菌成分及び抗菌素材の食品分野への利用

社会的成果または実用化された内容

  • 病原体の検出のための遺伝子検査試薬(石川県内企業)
  • 抗菌及び抗ウイルス活性を有する素材を利用した新規の繊維の開発(北陸域内企業)

産学・地域貢献に関する経験・実例および連携した企業業種

  • 食中毒病原体を標的とした新規遺伝子検査技術の開発(試薬メーカーとの共同研究)
  • 微生物(ウイルス及び細菌)に対する抗微生物素材の開発(素材メーカーと共同開発)
  • 精油を利用した食品に対する新規の殺菌料(殺菌剤)の開発研究
  • 食品企業における「食の安全安心」に関する人材育成(衛生管理機関との共同研究)

マッチングしたい分野・業種

  • 食品企業における品質管理、食品衛生に関連する企業
  • 公衆衛生に関連する企業
  • 病原体に対する検査に関連する企業
  • 途上国における食品衛生及び公衆衛生に関連する企業 など 
ナカグチ ヨシツグ
中口 義次
准教授
研究分野
食品管理学、食品衛生学、食品微生物学、感染症学
略歴
島根大学農学部 卒業
大阪府立大学大学院農学生命科学研究科 修了
京都大学大学院医学研究科 修了・博士(医学)
京都大学東南アジア研究所・助教,特任准教授
教員からの
メッセージ
私達の身の回りの食品を含む衛生について、病原体を知り、正しく備えるための研究を通して貢献したいと考えています。
https://www.ishikawa-pu.ac.jp/staff/staffname/nakaguchi-yoshitsugu/